デルス・ウザーラ
心身ともに疲弊の極みです。ここまで来たかと。
5年ぶりに見ます、黒澤明監督、1975年作品『デルス・ウザーラ』
ハリウッドとのゴタゴタやら自殺未遂やら文字通りのどん底を乗り越え、ソ連に呼ばれて制作した大作です。面白い面白くない以前に困ってしまう『どですかでん』があってこれ、という振れ幅が凄いですね
自然の中に生き、逆にそこでしか生きられないデルスと、その純粋な人柄と生き方に魅かれる探検隊長カピタンことアレセーニエフ、二人の垣根を越えた美しい(としか言いようのない)友情の物語です。
野営してた探検隊一行が物音にクマかとびびっているところへ「人間だ」とデルスがひょっこり顔を出したところからもうこの小さいおっさんの人柄に引き込まれてしまうあたり、外人ばかりでも黒澤映画やなーとなる瞬間です。この映画はこのデルスの役者さん見つけてきた時点で成功してるのでは
アレセーニエフ役のサローミンの抑えた演技も素晴らしい。
それまでこれでもかというくらいに「人間」を描いてきた黒澤監督ですが、良く言われるように、この映画のもう一つの主役はロシアの自然そのものです。演者がアップになることは殆どなく、あくまで自然の中の人間、という撮り方で、四季折々の情景に魅入ってしまいます
それまでの黒澤映画のエンタメな面白さは皆無ですが、自然に生きるべきだ、などとという押しつけがましい主張もなく、デルスを通して淡々とした中から滲み出てくる静かな感動が名作たる所以かと思います。
数ある黒澤映画の中でも「静」でありながら面白さも失っていないという、ありそうでない作品ではないでしょうか
デルス・ウザーラ [DVD] (2002/11/21) ユーリー・サローミン、マキシム・ムンズク 他 商品詳細を見る |
5年ぶりに見ます、黒澤明監督、1975年作品『デルス・ウザーラ』
ハリウッドとのゴタゴタやら自殺未遂やら文字通りのどん底を乗り越え、ソ連に呼ばれて制作した大作です。面白い面白くない以前に困ってしまう『どですかでん』があってこれ、という振れ幅が凄いですね
自然の中に生き、逆にそこでしか生きられないデルスと、その純粋な人柄と生き方に魅かれる探検隊長カピタンことアレセーニエフ、二人の垣根を越えた美しい(としか言いようのない)友情の物語です。
野営してた探検隊一行が物音にクマかとびびっているところへ「人間だ」とデルスがひょっこり顔を出したところからもうこの小さいおっさんの人柄に引き込まれてしまうあたり、外人ばかりでも黒澤映画やなーとなる瞬間です。この映画はこのデルスの役者さん見つけてきた時点で成功してるのでは
アレセーニエフ役のサローミンの抑えた演技も素晴らしい。
それまでこれでもかというくらいに「人間」を描いてきた黒澤監督ですが、良く言われるように、この映画のもう一つの主役はロシアの自然そのものです。演者がアップになることは殆どなく、あくまで自然の中の人間、という撮り方で、四季折々の情景に魅入ってしまいます
それまでの黒澤映画のエンタメな面白さは皆無ですが、自然に生きるべきだ、などとという押しつけがましい主張もなく、デルスを通して淡々とした中から滲み出てくる静かな感動が名作たる所以かと思います。
数ある黒澤映画の中でも「静」でありながら面白さも失っていないという、ありそうでない作品ではないでしょうか