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『Er Ist Wieder Da』

コメディと思って軽い気持ちで見ていたらとんでもなかったでござる『帰ってきたヒトラー』2014年作。



1945年陥落直前のベルリンから2014年にタイムスリップしてきた総統がモノマネ芸人と思われて現代社会に巻き起こす騒動(?)、というブラックコメディ、の皮を被った、戦後ドイツの在り方への問いと自国第一主義が進む現代への警鐘というリアルな問いかけでもありました

戦後ドイツではヒトラーは絶対悪でありそれ以外の描き方はタブーとされ、人間らしさを垣間見せた『ヒトラー最後の12日間』は大きな騒動になった記憶があります(今作でも1シーン丸ごとパロってます)。今作はそこから更に進めて、ヒトラーがブラックコメディとして大衆に受け入れられてしまうと言うこと自体が、タブーがもはやタブーではなくなり70年前の惨禍が風化してしまったことに対する警鐘にもなっています。

これに加えて総統自らが突撃して一般人のみならず各団体へのインタビューを行う等、現代ドイツが抱える諸問題を問うドキュメンタリーの側面も持っており、戦後ドイツを多面的に捉えているという意味では非常に良くできた映画だと思います。というかそれによりによってヒトラーを使うというのは本当に慧眼、というかドイツ帝国建国以来の歪みを一身に引っ被った彼しかいないといえます。

という重いテーマもありながら、アドルフヒトラーというキャラクターの強烈さは今もって笑えるのが凄い。チャップリンが茶化しまくった80年前と変わらず誰もが笑えるとか、こう言っては不謹慎ですがどんだけ普遍的なネタやねんと。しかし誰もが知っているということの意味を考えると笑いも凍るわけで、この映画はそういうところも狙っていて怖い。

こういう形で「現代」の在り方を問う映画はなかなかないと思います。原作も読めば二度おいしい。

LED ZEPPELIN 1972.02.27 Sydney

これはもう衣替え待ったなしやね

Led Zeppelin
1972.02.27
Sydney, Australia


audience source 3
Lineage: Cass(M) > wav > flac


01 Intro
02 Immigrant Song
03 Heartbreaker
04 Black Dog
05 Since I've Been Loving You
06 Celebration Day (cut for tape flip)
07 Stairway To Heaven (cuts in)
08 Going To California
09 That's The Way
10 Tangerine
11 Bron-Y-Aur Stomp (tape flip at 2:51)
12 Dazed and Confused
13 What Is And What Should Never Be (tape flip at 3:26)
14 Moby Dick (cuts in)
15 Rock and Roll (cuts in)
16 Whole Lotta Love (cuts in, tape flip at 5:28, tape flip after song)
17 Communication Breakdown
18 Organ Solo
19 Thank You

72年オージーツアーから、細切れの映像も有名なシドニー公演。

ソース3。
オージーツアー随一の高音質だがカットだらけのソース2が有名でしたが、これ新発見じゃないですか 
これまで聴けなかった序盤、「祭典の日」等々、これでようやくこの日の全貌が明らかとなりました。…とはいえ2と同じくテープ節約のためカットの嵐で、両ソースを繋いでも完全版にはならないのが無念
録音者撮影の写真からも分かるようにアリーナではなく屋根のついたスタンド席からの録音のため、半屋内な周辺の客に焦点が合ってる感あります。武道館の1階スタンド奥みたいな笑 でも武道館みたいに籠ってはいないのは屋外だからか

名演揃いで知られるオージー諸公演においても出色のNZ公演後ということで、あの雰囲気を引き継いだ充実の演奏ではありますが、どこかリラックスした空気が流れているのが印象的。特にプラント。
そのプラントは「移民の歌」でオリキーを出し切る等全編に渡って好調を維持していますが、ツアーも後半となり流石にしんどい場面も。まあNZで頑張りすぎた感はありますが、半年後の日本で死んでしまう兆候も見え隠れします

イントロ欠けが残念な「天国」も良い演奏ですがジミーがラストパート突入のキメを盛大にミスっておりカッコ悪い…2年間生やし続けた髭をようやく剃った呪い(ry まあ熱演には間違いない
長々としたアコースティックコーナーはUSのように騒ぎたてるでもなく静かに聴いているのは意外。爆竹文化とかないんでしょうか。それでも座ろうぜとかプラントが注意しているので盛り上がってないわけではない模様

「Dazed」はアコースティックコーナーでできたまったりムードに引きずられたかどこか意思の疎通を欠く演奏ながらメインテーマに戻ってきて以降はファンキーな展開が熱いですね
「Whole Lotta Love」で「The Rover」が飛び出すのは有名ですが、本ツアーで思いだしたかのように始まる『聖なる館』セッションはとても楽しい。客は置いてけぼりというね笑

このところ新ソースの発掘が相次いでいますが、これは確実にステイホーム効果ですね、ガレージ整理してたら思いもよらないものが出てきた的な。コロナ禍が収束する兆しはまだまだ見えない中、数少ない良い副作用ですね

Liam Gallagher 2020.12.05 The River Thames, London

春がきた



伝統を馬鹿正直に受け継ぐ大英帝国ロック最後の希望リアムギャラガー、去年年末に行ったサプライズライブ。ピストルズのテムズ川騒動に倣い、船に乗って1時間の川下りです。感染症対策にもなっていて、よく思いついたなと。。。ソロになってからの順調ぶり、「チームリアムギャラガー」が優秀なんでしょうねえ

ピストルズは「God Save The Queen」1曲であえなく逮捕の流れとなりましたが、先達の失敗を糧としてちゃんと許可も取ってるので、夕闇迫るロンドンの街を横目に見ながら、悠々の演奏です。「Hello」に始まり「Fade Away」にまさかの「Headshrinker」というOASIS曲からソロ曲から、充実の内容です。さらにリアムの調子は2000年以降では最も良いといえ、「Hello」は90年代に戻ったかのような声の艶にびっくりしましたし、全盛期でも厳しかった「Headshrinker」も歌いきれるとか、ガラスの喉ながら単発だったらまだまだやれることを見せつけています …流石に終盤は疲れますがご愛嬌
愛嬌ついでにOASIS曲にはボーンヘッドも参加。帽子被ってるのでよくわかりませんが

主役は態度悪いし回りも棒立ちなので普段だったらカメラワークで補填するとこですが、今回はロンドンの街並みクルーズなので画面に動きがあってとてもいいですね、これも狙ってたとしたら大成功笑
テムズバリアーからO2アリーナ~タワーブリッジ~ウォータールー橋~観覧車、というロンドン名所を素晴らしい演奏に乗せて観光できるという利点もあります

…いやしかし当たり前のことが当たり前でなくなった昨今において、こうやって知恵を絞って生演奏やってくれることには感謝しかないですね。50年前のライブも聴けてしまう今日においてライブに行く/聴く意味が麻痺してしまいそうになります。しかしライブとは「Right Here Right Now」、演る方も聴く方も1回限りの得難い体験であることを再確認する次第です。

こうして「今の」ライブを聴けることの喜びを新たにします。ありがとうリアムギャラガー。でもその帽子はダサい笑

LED ZEPPELIN 1977.04.30 Pontiac

黄砂も飛んできて、春の嵐ですな

Led Zeppelin
1977.04.30
Pontiac Silverdome, Pontiac, Michigan


Lineage: Cass(2) > DAT > CDR > EAC > flac 8
Additional lineage: flac > TLH > wav > Adobe Audition 3.0.1* > wav


The Song Remains The Same
Sick Again
Nobody's Fault But Mine
In My Time Of Dying
Since I've Been Loving You
No Quarter
Ten Years Gone
The Battle Of Evermore
Going To California
Black Country Woman-Bron-Y-Aur Stomp
White Summer-Black Mountain Side
Kashmir
Over The Top
Noise Solo
Achilles Last Stand
Stairway To Heaven
Rock And Roll
Trampled Underfoot

ZEPPELIN77年ツアー前期日程最期を飾る名演・ポンティアック公演。…聞きなれない地名やな

いかにも77年なドームエコーが効いた音で、イントロの大歓声からしてああステージから遥か遠くだと分かる遠さです笑 大会場揃いの77年ツアーにおいても最大規模8万人収容のシルバードームだけあって、ボケボケですがギリ聴ける音、といえます。(今はもうないんですねシルバードーム。悲しい
個人的にはリマスターは個人の好みも出るのであまり聴かないんですが、これは聴きやすくなってますね。序盤ボンゾのハイハットが聴こえるようになったのは感動です笑 オリジナルの2Genソースは耳に刺さります、ピッチも低い

2日前の大名演を引き継ぐとともに2年ぶり、3週間の紆余曲折の大団円に相応しい熱演です。
いつも通りというかなかなか調子の上がらないまま終盤まで来てしまった感はありましたが、この最終盤でやっと手ごたえを掴めた充実感と安心感が音に出ているように思います。

エコーまみれなので各人のプレイというよりはバンド全体の重量感が捉えらえれた音源といえ、「死にかけて」「No Quarter」などの重めの曲の魅力が発揮されています。また8万の大観衆ということで歓声がいちいち凄く、アコースティックコーナーがクールダウンの場になっていないのが凄い。その分爆竹の数も桁違いで、「カリフォルニア」での炸裂っぷりは特筆すべきです笑 熱演の「天国」でもばんばん鳴るのはもはや爆竹鳴らすために金払って来てるレベル。バカ。

オーディエンス録音で聴く圧巻の「Kashmir」が後半の主役、やはりこの曲はペラペラサウンドボードでは片手落ちですね 「アキレス」は音のせいもありどこか締まらない印象、ボンゾがやや落ち着いており、ドラムソロで疲れた?
またこの頃はジミーの独演会が短めなので退屈しなくていいですね

お世辞にもいい音とはいえませんが、こういう音だからこそのダイナミズムというか臨場感も捨てがたいものです。LAやサウンドボードでは絶対に味わえない、これもまたZEPの魅力といえ、遠目のオーディエンス録音では77年屈指の演奏ではないでしょうか(褒めているのか ペラペラsbdで聴くとまた違った感想になりそうですが笑

『阿片戦争』

暇だったのでぶらりと国立フィルムアーカイヴスへ。

『阿片戦争』

Ahen_senso_poster.jpg

祝・人生初国策映画鑑賞(笑

題名の通り阿片戦争勃発に至る大英帝国の鬼畜の所業とそれを阻止せんと立ち上がる英雄林則徐、が本題ですがアクションあり政治劇あり歌あり踊りありロマンスありと意外と普通に楽しめる内容で、国策映画というよりは5族協和・大東亜共栄圏を前面に押し出すことであくまでエンターテイメントとしての体裁を保ったのは脚本小国/黒澤をはじめとする当時の映画界の矜持を感じます。

要はいかに大英帝国が鬼畜の所業を働いたかということで、オープニングから翻る大英帝国旗に「海賊旗」とテロップ入れて煽ってきます笑 それに対するは我らがヒーロー林則徐であり、これを歌舞伎役者二代市川猿之助が良い意味で溜めのある演技で魅せてくれます。ラストにも「このような所業をする者共には必ずや天罰が下るであろう」みたいなのを客に向かって演説してくれますが、これ当時はここで拍手喝采だったのかなあ…

あと中国人もイギリス人も全部日本人が演じてるのには違和感、じゃなくて逆にこれはこれで新鮮笑 そりゃ当時バリバリの敵国ですからね、誰も出演できるわけがなく…ということで全員当然のように日本語で会話してるのが受ける 時々思い出したように「シャラップ!」とか言いだすあたり、思考回路は大陸の半日ドラマと大差ないなと笑

しかしオープンセットやエキストラ等の規模は半端じゃなく、いかにも富士山麓な場所もありますが、広東の街などはロケしたんかと思うくらいのでかさ。敗戦の影忍び寄る1943年にしてこの規模の映画を作れるというのが凄い
ハイライトはイギリス艦隊の艦砲射撃で火の海と化す広東市街、これどうやって撮ったんだと興奮しましたが何のことはないハリウッド映画からの無断拝借とのことで、この時点で既に敗戦(ry

綺麗どころに原節子と高峰秀子という2大女優が共演しているのが見どころ…当然ですがどっちも若くてびっくりですがあくまで国策映画なんで立ち位置はちょっと中途半端

帝国の意図に反して中国人向けにヒットしたようですが、「敵の敵は味方」にはならんでしょうねえ、「敵の敵も敵」という笑
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